● ○○ 第119回あすか倶楽部 定例会 ●○○

日 時:2010年3月20日(土)14:00〜17:00
テーマ:活躍する消費生活アドバイザーシリーズ
「クレーム対応の誤解・錯誤」
講 師:K.コム.トレード代表 川合 健三氏
場 所:トヨタ自動車樺r袋アムラックスビル 7階会議室




T.いくらでもある時間

大卒就職22歳〜60歳(定年退職)まで7時間勤務で69、000時間(8時間勤務で79、000時間)

60歳定年後〜75歳まで第一線 自由時間1日16時間で87,600時間(12時間で65,700時間)

時間がなくてできないことはない。
U.消費者対応部門に求められる資質

『いいキャップ』を身につけましょう。

Expert 専門家

Counselor カウンセラー

Consultant コンサルタント

Adviser アドバイザー

Analyst アナリスト

Presentator 提案者

頭文字をとってECCAAP(いいキャップ)

これらすべてを最初から兼ね備えている人はいない。持ってない資質を身につけましょう。
V.クレーム社会が到来している。

言うだけ言ってみよう! 駄目でもともと! 私は「お客様」だ! 私は「消費者」だ!

1)企業の不祥事

2007年度社告が新聞に掲載された件数=501件

→「公」が信用できない。信頼できない。

2)消費者保護

弱者に対する様々な「保護システム」が構築されている。

法律の整備、行政の保護。

1対1では企業のほうが強い。(資金力、交渉力)

3)教育の荒廃

最近は「自己責任」という意識の欠如している人が増大。

常識が通用しない。責任転嫁、全体と私。自己中心的な考え方。

事例

・百貨店は包装紙に付加価値をつけている。

・包装紙に包まれたものはその百貨店の信用が詰まっている。

・百貨店にとって信用、信頼を保証する大切なもの。

・だからしっかり包む。⇒過剰包装?

→環境に負荷がかかっている過剰包装に憤るお客様。

常識では、わかっているが、「今」の自分は「別」

対策

@個人の対応力を上げる。

A会社の仕組みを作る。

個人の力量だけでは根本的な解決はできない。

会社全体で対応できるような仕組みとシステムを作り上げなければならない。

個人と会社のバランス(どちらか一方に偏ってはいけない。)
W.コミュニケーションとは何か?

@伝える、A受け入れる、B反応する、C(反応を)受けとめる

何故トラブルになるのか?⇒コミュニケーションのとり方がうまくない。

どうしたらよいのか?

→相手の気持ちとこちらの気持ちが“一体化”すること

すなわち

→相手の言い分を受け入れること(気持ちを共有する)

そのためには

→相手の言い分を十分に聴く

具体的には

→相手の言い分に何ら疑問を持たず、ありのままに受け入れる
X.お客様にはクレームを言う『理由』、『背景』がある。

物の価格、税金にはクレームを言う権利が含まれている。

応対者の勘違い

・指示してしまう。指摘してしまう。説得してしまう。説明してしまう。解説してしまう。

・お客様は、必ずしも回答や説明がほしいわけではない。

・理屈は不要、お客様が欲しいのは「受容」と「共感」

・不平、不満の感情を、理論、理屈で攻めても受け付けない。

・感情の不平、不満をなくした後で理論、説明を行う。

信頼関係が築かれて初めて本音が出てくる。
Y.クレーム対応の基本

@こちらに瑕疵、欠陥、過失があるか?

Aその結果、お客様に多大な損害が発生したか?

B瑕疵、欠陥、過失と、お客様のトラブルとの間に相当な因果関係はあるか?

Cお客様の要望が損害に比べ過剰ではないか?

Dお客様のクレームに対する態様は?

相手の言い分を十分に聴き、なんら疑問を挟まずありのままに受け入れる、という意味は、相手の言い分の正当性を認めることとは明確に違う。

事実関係が不明なのに認めることは出来ない。相手の言い分を言い分として疑いを持たずに聴く耳を持つ、という意味。

対応手順

@丁寧な受入体制(受入のオーラ)

A丁重なお詫び・お礼

B丁寧に聴く(うなずき、あいづち)

C事実・感情・本意を知る

D質問(最後の最期にする)

E今、提案できることを説明

クレーマーに対しては、毅然と、組織として対応。

毅然と言う意味は、居丈高になるということではない。

いつでもソフトに・丁重に・丁寧に、を基本に、回答する方向性を明確にし、ブレないこと。
《やってはいけない》

@感情的にならない

A話し方、声の大きさで判断しない

B話を遮らない

C言い訳をしない

D自分が訊きたいことだけを質問しない

Eその場で解決しようとしない

Fお客様が間違えたことを強調しない

G特別待遇をしない

H出来ること、出来ないことを明確に伝える

クレーム対応の基本は 聴くに始まり、聴くに終わる。
【質疑応答】

Q.お客様が完全に間違っているのに大声で怒鳴った。

そこで応対している私も怒鳴って対応をした。

それで対応が終了したことがあるがこういうシチュエーションはどうか?

A.私はやったことがない。有効かも(笑)

答えになっていないかもしれないが、灰皿を投げられたりしたらそれなりの対応をする。

お客様は対応者との間合いを見ている。

Q.事実が小さいのに感情が大きいお客様がいる。

なぜこのような状況になるのか?

A.答えになっていないかもしれないが、不平、不満は長くて5分(普通は3分)

Q.居座って担当者がつかまってしまった場合、2名体制で対応するのは有効か?

A.有効です。

場所、人、時を変えて一息(3分)入れて対応することもひとつの手段。

但し途中でお客様の話を遮らないこと。

Q.出来ること、出来ないことを明確に伝えるとあるが、その線引きは?

A.あいまいなことは避け、明確なことは伝えなければならない。

例、1時間後に連絡します。3日後に報告します。

                         報告者 26期 吉田 巌